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A.C.P.C.提携講座 ライブ・エンタテインメント論
提携講座/登壇講師インタビューseason 1

Interviewee

REC.012 夏目公一朗さん

(株)アニプレックス代表取締役 執行役員社長

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CHAPTER.1
アニメ業界に入るために必要なこと

― 前列の席に学生たちが多かったですね。

夏目公一朗氏(以下夏目と略):真剣に聞いている学生が多かったので大変嬉しかったです。

― それではまず、学生からの質問をお伺いします。アニメ業界に入るために必要なことは何でしょうか?

夏目:特別な訓練は全く必要ないんです。映像作品を生み出して、それをお金に換えていくには、幅広い知識と教養の積み重ねが必要です。最近、ニュースを得るのにネットしか利用しない方が増えていますけど、やはり新聞の論説などからも、くまなくいろんな情報をすくい上げて、ちゃんと深く読んで頂きたいし、人間としての教養を深めてもらいたいな、というのがありますね。

― 新聞や本は重要ですよね。

夏目:例えばプロデューサーになって、深い人間ドラマを作ることになったとします。そこでシナリオライターや原作者の方とやりとりする際に、こちら側の世界感が浅いと、深い物語を書こうとする方との間に、会話が成立しなくなってしまうわけです。
プロデューサーの方々は、たくさん本も読んでいますし、きちんとした情報を様々なところから得ています。

― 講義では興行収入などの数字もあり、大変に分かりやすかったです。

夏目:学生からは「どうやってアニメの原作を選ぶのか?」、「音楽の選び方は?」という質問が多く、そういうことが興味の対象なのだと分かりました。しかし、アニメの世界ばかりではなく、エンタテインメント・ビジネスには必ず出資者がいます。経済活動のひとつなので、集めたお金は出資してくれた方たちにお返ししなければなりません。それを返さない状態が続く、つまり赤字作品を連発していると、そのプロデューサーは資金力がなくなってしまうわけです。ですからプロデューサーの一番大きな仕事は、資金調達とも言えます。なぜなら、黒字にして、また出資してもらうことができなければ、制作するスタジオや監督、原作者、シナリオライターたち、クリエイターにお金が回らなくなってしまう。そういう意味では、きちんとそろばんをはじきながらやらないとだめなんだよ、ということがまず重要です。

― 絵が上手だとか、それも手がかりのひとつでしょうけど、決して趣味の延長上の仕事ではないということですね。

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