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A.C.P.C.提携講座 ライブ・エンタテインメント論
提携講座/登壇講師インタビューseason 1

Interviewee

REC.009 大橋健三さん

一般社団法人 日本音楽著作権協会(JASRAC)常任理事

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CHAPTER.3
ネット時代の著作権管理

― ネット時代を迎え、JASRACは何から始めたのですか?

大橋:専門部署のネットワーク課ができてもう10数年になりますが、最初は着メロの管理から始まりました。着メロビジネス全盛時代からクラウドサービスへと、サービスの多様化に対応するためには、著作権も多様な問題をクリアする必要があります。
配信事業者は、著作権管理事業者に対して著作権法上の許諾を取る必要があり、商業音源の配信であれば、JASRACだけではなくレコード会社の許諾も得なければビジネスは展開できない訳です。
また、非商用の、例えば個人でHPを立ち上げて音楽を利用する場合も許諾契約が必要です。
ネットはサービスを運営する事業者だけでなく、個人でも簡単に利用者になり、違法なアップロードとダウンロードができる点が大きな問題ですね。

― 最近では、プロモーションにおいては著作権フリーというアーティストもおりますが、この辺はいかがですか?

大橋:ネット上では著作権フリーで、どうぞただで使ってくださいというのは、そこから先にまた違うビジネス形態が生まれることを見据えたアーティストの戦略だと思います。
初音ミクの楽曲をはじめ、ボーカロイド系と言われる曲の多くは、作家がJASRACに権利を預けていません。どうぞネット上ではただで使ってくださいと。
作家自身はJASRACに権利を預けてはいませんが、音楽の著作権者である音楽出版社に権利を預ける。そしてネット上での利用はフリーですが、通信カラオケはJASRACに管理を委託するケースが多いようです。

― 講義で、著作権は権利の束というお話をなさいましたが………

大橋:それぞれ支分権があって、JASRACに全部の権利を預けるのではなく、複製権とネット配信は自己管理する、あるいは他の管理事業者に預けるといったケースが可能です。支分権の利用形態ごとに、自己管理にするのか、他の管理事業者に委託するのか、JASRACに委託するのか、管理委託の範囲を権利者自らが選択できる。それが2001年の著作権等管理事業法施行の一番のポイントだったんですね。

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