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A.C.P.C.提携講座 ライブ・エンタテインメント論
提携講座/登壇講師インタビューseason 3

高野寛さん
Interviewee

REC.009 高野寛さん

ミュージシャン/音楽プロデューサー

プロフィールの詳細


CHAPTER.1
絶対に音楽を嫌いにならない

― 高野先生は、今年(2014年)でデビュー26年になります。

高野寛さん(以下高野と敬称略):僕は、生まれた年が1964年の東京オリンピックの年で、時代の転換期に、自分にも転換期が訪れるということがすごく多くて。小学校入学が万博の年、デビューした年が昭和最後の年でした。それはレコードからCDに移り変わった年で、同期のミュージシャンでも、ソニーからデビューした人はLPレコードを作ってないんですね。それはソニーが最初にCDに取り組んだから。僕は東芝EMIでしたのでカセットとLPレコードとCDと3つを出しました。振り返ると自分のデビューの歴史は平成の歴史であり、CDの歴史だったなと思えてきます。今の学生たちはもちろんCDも聴いていますが、どちらかというとYouTube世代で、本当に時代の移り変わりには驚きますよね。

― 高野先生は、ミュージシャンであり、音楽プロデューサーという仕事もされていますが、これまでの活動はいかがでしたか?

高野:僕自身が割と多面的なミュージシャンなので、自分の曲を作って歌うこと以外にギタリストとしての側面もあり、これまでの人脈の広がりはこの二面性がすごく大きかったと思います。フロントマンの最前線だけじゃなくて一歩引いたところにもいるし、その切り換えは難しいけど、どちらも楽しくやって来ました。それと僕は、小さいときから自分は何が何でも歌手になる、という決意の元にずっと歌い続けているタイプのアーティストとは違って、トータルな音楽作りに興味があります。それはやっぱり、自分のルーツの根っ子にあるのがYMOとトッド・ラングレンで、彼らはどちらもプロデューサーであり、アーティストであり、しかもプレイヤーです。その影響が大きいんだと思いますね。

― さて、今日の講義は、前半では高野先生のこれまでの音楽の作り方や人生談を語っていただき、後半がギター弾き語りでのライブでした。学生たちには一体感のある、とても印象深い講義だったと思います。学生たちはいかがでしたか?

高野:質問の内容がすごく前向きというか、ちゃんと興味を持って接してくれる学生がたくさんいたので、よかったです。

― 講義で話された「仕事を続けていく上では、好きであることが一番大切で、時間やお金に代えられないものが音楽にはある」ということを、学生たちは素直に受け止めていたように思います。

高野:僕は音楽が最大の趣味なんです。ただ、最大の趣味を仕事にするのはある意味とても不幸なことで、息抜きができないような側面もありますが、だからといってそのなかで絶対に音楽を嫌いにならないことが大切ですよね。

― これまでのお仕事のなかで大切にしてきたことは、音楽を嫌いにならないことですか?

高野:そうですね。僕は、音楽を嫌いになるような現場とか、嫌いになってしまいそうな仕事は触れないようにしてきました。それがどんなにお金になる仕事でも。それは、嫌々やっていても実力が発揮できないからです。ネガティブなことが頭から離れなくなって、作品も下を向いたようなものになってしまうし、パフォーマンスも気乗りがしない、ということになりがちなので、自分がどれだけ盛り上がれるか、楽しめるかが基準になっていますね。本当はすごく不器用な考え方だと思うんですけど、自分のなかで変わらない、僕が守っているものは、そこだけですね。

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